旅する蝶 その1

今年の9月に八甲田山付近で初めて野を飛ぶアサギマダラを見た。
一瞬の出来事だったがその美しさは目に焼き付いている。
蝶のことを詳しく知ってるわけではないが、蝶にはとても深い関心を持っている。というのは自分のライフワークである「木の周辺」を研究する上で欠かせない生き物なのだ。
食草や蜜源など植物、樹木との関係も深い。
なかでもアサギマダラは日本で唯一のマダラの仲間で浅葱色の大きな蝶だ。
その見事なまでの翅の美しさ。
この美しい翅を広げ台湾などに飛んでいく。
何千キロとこの小さな蝶が旅をするのだ。
どういう風景を見てるか知る由もないが、ヒラヒラと舞い遠くへ旅する情景は想像するだけで愉しい。

アキッレ カスティリオーニ

先月、荻野克彦氏のデザイン講演会とその後の飲み会でカスティリオーニのデザインの話になった。
実は9月のシードルキャンプでもカスティリオーニの照明で友人と盛り上がった。
硬派なデザインのフロスのアルコやジビジャーナ。
一方でそんなことやる?といった車のヘッドランプのトイオやトラクターのサドルをスツールにしたザノッタのメッザドロ。
イタリアデザインの代表的な面白さと奥深さを見たのは20年前の新宿オゾンでのカスティリオーニの大規模な展覧会だった。
今改めてその展覧会のカタログを見る。
今年はなんとアキッレ カスティリオーニ生誕100年ではないか。
日本はメディア優先で、淘汰されていく秀悦なデザインと衰退していく地方の自然素材のものづくり。
本質のデザインではなくスタイリングが重宝され本物さえ霞む時代。
秋の夜長になんだかちょっとした運命を感じずにはいられませんでした。

 

1年に数回の壁

自分の戒めとして、年に数回ほど今まで作るチャンスがなかった技術やカタチにチャレンジしています。
新しい技術や難しい技術と量産がテーマです。
家具を作ったり小物を作ったりします。
今年は器にしました。
新しい技術はその発想も大事です。
また技術ができても量産できなければ商品になりにくいので落としどころやおさまりも考えます。
戒めというのはそのほとんどが約半月以上の研究開発の製作になるので仕事にならず、その間無給になります。
通常の商品開発やプレゼンサンプルも含めるとどのくらいの時間になるか末恐ろしいのですが、それでもこの壁を乗り越えれば大きな経験と成長になり製作の下地がぐっと広がり、次につながると信じています。
こんなことを毎年してます。
今年はこの2種類で終わりそうかな?
市松と矢羽模様をはめ込んだ長木皿  仕上げウレタン
製材板を折り曲げた盛器  仕上げ拭き漆