アキッレ カスティリオーニ

先月、荻野克彦氏のデザイン講演会とその後の飲み会でカスティリオーニのデザインの話になった。
実は9月のシードルキャンプでもカスティリオーニの照明で友人と盛り上がった。
硬派なデザインのフロスのアルコやジビジャーナ。
一方でそんなことやる?といった車のヘッドランプのトイオやトラクターのサドルをスツールにしたザノッタのメッザドロ。
イタリアデザインの代表的な面白さと奥深さを見たのは20年前の新宿オゾンでのカスティリオーニの大規模な展覧会だった。
今改めてその展覧会のカタログを見る。
今年はなんとアキッレ カスティリオーニ生誕100年ではないか。
日本はメディア優先で、淘汰されていく秀悦なデザインと衰退していく地方の自然素材のものづくり。
本質のデザインではなくスタイリングが重宝され本物さえ霞む時代。
秋の夜長になんだかちょっとした運命を感じずにはいられませんでした。

 

1年に数回の壁

自分の戒めとして、年に数回ほど今まで作るチャンスがなかった技術やカタチにチャレンジしています。
新しい技術や難しい技術と量産がテーマです。
家具を作ったり小物を作ったりします。
今年は器にしました。
新しい技術はその発想も大事です。
また技術ができても量産できなければ商品になりにくいので落としどころやおさまりも考えます。
戒めというのはそのほとんどが約半月以上の研究開発の製作になるので仕事にならず、その間無給になります。
通常の商品開発やプレゼンサンプルも含めるとどのくらいの時間になるか末恐ろしいのですが、それでもこの壁を乗り越えれば大きな経験と成長になり製作の下地がぐっと広がり、次につながると信じています。
こんなことを毎年してます。
今年はこの2種類で終わりそうかな?
市松と矢羽模様をはめ込んだ長木皿  仕上げウレタン
製材板を折り曲げた盛器  仕上げ拭き漆

 

企画提案

25年程前にアウトドアメーカーの商品開発に携わらせて頂いた事がある。
先方はどちらかといえばステンレスの金物を使った製品を得意としていたので木と金物を組み合わせた「インドアでも使えるアウトドア商品」というコンセプトにした。
当時は企業に企画提案などした事もなかったのでコンセプトは良かったが、モデルも含めプレゼンの中身は散々だった。

それでもいくつかの商品が生まれそこそこ売れた。
この企画提案の話を振ってくれた東京営業所のS所長さんには本当に随分とお世話になった。
今でも当時の稚拙な打ち合わせや企画提案、モデル製作などを教訓にしている。
それにしてもそのアウトドアメーカーがその後次々と名作を生み続け自分がキャンプでその名作を使っている25年の巡り合わせ。
今度は少しはまともな企画提案ができそうなんだけどね。

 

下地を持っているか


新しいことをしようとするときそれに対する惜しみない時間や学習、金銭的な投資をするかどうかで完成度が違ってくる。
この工程を自分の中では下地と呼んでいる。
例えば販路拡大や市場開拓はそれに伴う設備投資や生産性、販売価格における粗利など作り手側の整理とそれを見込める程のマーケットや需要があるかどうかの買い手側の問題がある。
買い手側は常に変化していくのでそれに敏感でなくてはならずこれも厄介だ。
また自力で売る事が出来なければ売り手を探さなければいけず、市場開拓といえどこういうことに常日頃から仕事の中で慣れなくてはいけないのだ。
そんなことよりつべこべ言わずやってみようということもあるのだが、ほとんどが挫折して途中になっているのが現状である。
モノを売るだけでもこんなに大変なのである。
結局下地づくりは気持ちが入った下地でなくては厚さや層や広がりに繋がっていかない。
加えて何ヶ月何年になるか結局芽が出ずに終わるか、それはわからないけど良い下地を持ってるかどうかで当然それから先のやる事全てに影響してくる。

才能

イタリア料理の笹森さん、芸人シソンヌのじろうさん、九谷焼の上出さん、分野は違えどほとばしる才能で仕事をさばく彼らを見ると妙に新鮮で、幼い頃に持っていた憧憬のような感覚を覚えます。
同時に、自分のモノづくりとしての立ち位置を教えられている気もします。
彼らとの出会いに、まずは感謝。

 

おったってまる

自分の実力以上のことを発揮しなければならない場合、普段使わない頭をフル回転して考える。
当然慣れないことをしてるものだから、考えるだけでとてつもないエネルギーが必要となり、それだけで身も心もおったってまる。

向き合う。そして立ち向かう。

どちらかといえば文系の私が場所と仕事柄、体力がないとなかなか難しい生活に身をおいている。
ので、日々の小さな事柄でもエイコラと立ち向かう感じになる。
加え年相応に向き合わざるを得ない事も増えた。
そんな自分に対し軽くステップを踏みながら難なく生活をしている友人や隣人を見ると羨ましくなる。
仕方ないか、自分は不器用な人間なもので。

YES,WE CAMP

この数年は自分のしたい小さな目標を毎年決めて、それに向かい仕事のハードルを高めにして乗り越えるようにしている。
今年は北海道の星降る夜を眺めながらソロキャンプしようと決めている。
そのための仕事だと自分に言い聞かせると不思議なことにどんな仕事もスムーズにいきます。